光度【candela】の定義は

『周波数540×10の12乗Hzの単色放射を放出し、所定の方向におけるその放射強度が(1/683)W/sr(ワット毎ステラジアン)である光源の、その方向における光度』

・・・ほら、あたまが痛くなったでしょう。わたしにはひとつも理解できません。
「ステラジアン」を思わず「ステアラジン」と読んでしまうのは、なにか藁をもつかむ気持ちなのでしょうか。

「cd(カンデラ)」という単位があります。
インターネットで調べると、昔の細いロウソク1本程度の明るさが1candelaのもとになったのだそうです。
「1カンデラ=キャンドル1本くらいの明るさ」とするならば、ここでの明るさは全部合わせたら大体30カンデラくらいということか・・・
そんな風に思いながら、わたしはキャンドルの光と音楽の中にいました。
なんだか色気のない書き出しですね(笑)。解釈も間違ってるんじゃ・・・

富山県のカフェ nowhereでの6月28日の音楽会

【AOKI,hayato と haruka nakamura 「6月、彼処」】

は、電気をすべて消しキャンドルの光の中で行われました。

初めて聴いた音楽に、懐かしさ、暖かさを感じるということがあります。
しばらく聞いていると、意識がだんだんと自分の内側に向かうからかもしれません。
浮かんでくるのは、いつかの外の風景。
夏だろうか。晴れている。
誰もいない田舎の土っぽい道。
木が見える。
いい気分だ。
それは、たぶん過去に自分が見た風景で、それが不意に思い出されるのは、この曲を聴いた時の気持ちが、その風景を見た時の気持ちと同じになったからだろうと思います。

お二人は、旅をしながら音楽を作ってきたといいます。
演奏の中でわたしがいつしか懐かしさと共に思い出していたのも、いつか旅をした風景でした。

今回、キャンドルの灯りだけで演奏すると聞いた時は、「それは暗すぎるかもしれない・・・」と少し心配しました。
ところが、キャンドルって意外に明るいものですね。
10年以上キャンドルと付き合ってきた自分が言うのも不勉強な話ですが、ロウソクの灯りの力をあらためて知ったような気がします。